クロアチアは東ヨーロッパ、イタリアから美しいアドリア海を挟んだバルカン半島に位置しています。
小さな島も多く、天然資源の豊富な国です。
ヨーロッパで人気の高い牡蠣の養殖が盛んで、味も良いとされています。
マグロ養殖にも適した環境を持っていましたが、生食文化の無い国ではツナ缶への加工が主流でした。
90年代の民主化に伴いオーストラリアで養殖を営んでいたクロアチア人が帰国し、日本というパートナーを手に入れて一気にマグロの価値が高まりました。
そして、今では国を支える大規模な事業にまで成長したのです。
マグロ輸出量、そして注目度の高いクロアチアマグロ養殖の現状をお伝えします。
■マグロの85%以上を日本に輸出 クロアチアと日本
クロアチアはメキシコ、マルタに次ぐ日本第3位の養殖マグロ輸入国です。
メキシコの約半分程度の輸出量を持ち、2位マルタを追い抜く勢いで成長を続けています。
総量ではメキシコが第1位ですが、クロアチア養殖マグロのもっとも注目すべき点は日本への輸出割合です。
マグロの刺身は世界中で需要が高まりつつありますが、舌の肥えた日本人を納得させるには味、加工技術共に高水準のマグロを生産する必要があります。
環境を生かし生エサの調達を行っている業者もあり、日本への安定した輸出が開かれた今、高単価・高品質路線で成功を収めていると言えます。
日本でのマグロ需要は少しずつ落ちてきていますが、世界的なマグロ需要は急速に高まっています。
気軽に手に出来る味・価格のマグロは、どの国でも必要になっているのです。
日本人は味へのこだわりが強いので、味も良く国内から見れば割安なクロアチアマグロへの依存は今後更に強まるかもしれません。
■刺身を食べないクロアチア業者の技術力
クロアチア養殖マグロはイワシやニシン、サバなど現地の新鮮なエサを与え2年半から3年畜養し出荷されています。
日本人向けに脂を乗せてから加工を行っていますが、国内で消費されるマグロは物価の高いクロアチアでキロ2100円の大衆魚であり、食べるようになってまだ日が浅いようです。
現地ではグリルが人気の調理法で、ステーキやBBQが好まれます。
トロより赤身の方が需要が高く、価格も赤身の方が高価です。
刺身でマグロを食べる現地人はまだ少ないので環境や生エサにこだわり品質の高いマグロを生産する事はできますが、刺身に向いているかどうか、現地の人間には判断が難しいのです。
そこで神経締めや養殖、加工技術を持って現地入りし、高品質の加工という付加価値をつけて出荷を行う日本企業が現れました。
マグロの輸入も手がけていた水産商社のジェイトレーディングです。
■2014年、初めて日本企業がクロアチアマグロ養殖業者を買収
2014年12月、東京の水産商社ジェイトレーディングがクロアチアの大手マグロ養殖会社を買収しました。
畜養を営むカリ・ツナ社は年産1000トンを輸出するマグロ養殖事業を運営しており、日本の技術を投入する事で事業の効率化・品質の向上を目指しています。
国内での完全養殖研究の発展も目覚しく、今後の需要高騰を見据えて日本品質をブランドにアジア各国への進出へ動き出しているのです。
■国内養殖マグロの展望
海外での刺身の流行はまだまだ始まったばかりです。
日本で受け入れられた味の良い養殖マグロは世界へ広がっていきます。
高品質な養殖マグロの生産はまさにこれからが勝負の時。
日本養殖マグロは世界的なブランドへと成長出来るかもしれません。
天然マグロの減少と完全養殖研究の発展もマグロ養殖の展開を後押しします。
マグロ養殖技術の発展と世界的なマグロの流行に注目が集まる一方で、世界的な需要の高騰を受けて水産商社はエビやマグロ獲得に向けて動き始めており、国外での価格はもちろん、国内消費向けマグロの価格動向にも注目が集まっています。
マグロ養殖は日本で近大が有名ですが巷では南洋天然物かクロアチアの養殖物が美味しいとのことですが いかがですか。
ご覧いただき有難うございます。
国内養殖クロマグロといっても生産者も漁場環境も異なりますし、完全養殖クロマグロも近畿大学のみならず複数企業で出荷を始められています。
食味は人それぞれ感じ方が違いますので一概には述べられませんが、各社研究により生産技術が向上していることは間違いありません。
我々は生産者ではありませんが、国内養殖物も一度ご賞味されてはいかがでしょうか。