養殖クロマグロと天然クロマグロの違い

天然資源の枯渇問題に直面している天然クロマグロと

人工孵化・人口飼料の研究を進め

持続性の模索を続ける養殖クロマグロ。

 

「天然の方が美味しそう」とイメージしてしまいがちですが

技術の発展によって養殖マグロは天然に負けない

評価を受けるほどにまで発展しました。

 

急速に発展の進む養殖マグロの現状と

養殖クロマグロ、天然クロマグロの味の違いをご紹介します。

 

 

■期待高まる養殖クロマグロ

 

完全養殖・大手企業の参入・海外への展開と

近年は特に展開の加速が目覚しい養殖クロマグロ。

 

資源減少と世界的な需要の高まりによって

養殖魚の中でも特に重要な品目と言える魚です。

 

市場は今や日本・アジア圏に留まらず

クロマグロ養殖の技術やノウハウは

大きなビジネスチャンスとして意識されるようになりました。

 

エサの改善・品質の管理など

マグロの味を高める技術の発展が進む事で

我々消費者は美味しいマグロが気軽に食べられ

企業は日本ブランドを武器に海外進出のチャンスを得る

といった良い循環が期待されています。

 

 

天然クロマグロは枯渇を避けるべく

資源の消費を抑える方向へ向かっていますが

養殖クロマグロは数を増やし

消費を促すような方向へ向かっていると言えそうです。

 

 

 

■天然クロマグロ保護と安定供給の両立

 

クロマグロの養殖は

稚魚を捕獲し育てる「畜養」という養殖が主流です。

 

天然であっても養殖であっても

生まれは同じということになります。

 

「畜養」もベースは天然資源に頼っているため

現在の養殖は消費を軽減出来る人工孵化を使った

「完全養殖」への道を進み始めました。

 

与える飼料も天然資源である小魚を使ったものがメインでしたが

人口飼料の発展によって植物性飼料を与える試みも始まっています。

 

 

完全養殖・人口飼料で生産されたクロマグロの展開も始まっているので

是非手に取って口にして

身近な食品がどのようにして未来へ進むのか

ご自身の感覚で確かめてみてください。

 

 

 

■柔らかく脂が強い養殖クロマグロ

 

天然クロマグロは適度な脂に奥深い味わい

鮮烈な赤い色と凝縮された強いマグロの風味が魅力です。

 

時期や産地だけでなく

固体によっても脂のノリが大きく異なるため

優れた身質を持つクロマグロは非常に高価な価格で取引されています。

 

脂の乗った天然クロマグロは

手軽に口に出来るようなルートにはあまり流通しないので

日常生活の中で機会を得ても

脂が少ないと感じる事があるかもしれません。

 

養殖クロマグロは天然クロマグロに比べて身がピンク色に近く

脂のノリは強めなのが特徴です。

 

魚の脂らしい甘みのある味わいを感じやすく

口に入れた瞬間のインパクトもあります。

 

 

価格の面でまだ少し高価な印象があるものの

餌とマグロの体調を管理し

美味しいタイミングで出荷

手間を掛けて生産されているため市場での評価は高く

イワシ臭さや数世代前の養殖魚にあったくどさも無くなりました。

 

生産の工程や後処理によって味に違いが生まれますが

天然よりも食味が安定しやすいのも養殖クロマグロの特徴なので

美味しいと感じた産地やブランドはチェックしておくと

近い味のクロマグロを見つけやすくなります。

 

 

高騰を続ける天然クロマグロと

味の改善を続け幅広く展開を行う養殖クロマグロ。

 

需要を満たし

和食の文化を守りながら資源を回復させるためには

どちらの良さも尊重しながら

並行してマグロを楽しむような取り組み理想的です。

 

品質の高い養殖クロマグロはスーパーなどでの販売

飲食店での提供時も味の良さをウリに

ブランドの名前が表記されているので

機会があった場合は是非養殖クロマグロを体験してみてください。

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