養殖は天然に勝るとも劣らないという価値観の浸透は世界において重要

卒業シーズン到来でもうすぐ春ですね。

 

引田もハマチ養殖の新シーズンを迎えようとしています。

 

 

 

さて皆さま

養殖という言葉にどのような印象を持たれていますか?

 

 

「魚はやっぱり天然物に限る!」なんてテレビ放送で良く言われています。

 

食レポでタレントが何を食べても「やわらかーい」とか言っていますが

「(その魚は)やわらかいとダメだろ」とツッコミもたくなります。

 

また

荒波と戦う漁師の姿はスリリングに取り上げられますが

養殖業者の格好いい姿はほとんど取り上げられません。

 

なぜなのでしょうか?

 

 

テレビは視聴率とスポンサーの信頼を得るために

視聴者の心を掴む情報を発信します。

 

一概にメディアが悪いのではありませんが

目と耳から入ってくるその情報は人の価値観に大きな影響を与えます。

 

だからなのか

水産物に対して “天然は養殖に勝る” という考えが根強くあります。

 

アメリカにおいては

環境保全の観点から養殖への懸念は日本のそれとは比ではありません。

 

 

では、畜産で考えるとどうでしょうか?

 

“天然の牛豚鳥” と “完全養殖的な牛豚鳥”

 

“どんな環境で何を食べて育ったのかわからない肉” と

“人が手塩をかけて栄養管理された肉”

 

どちらを食べたいかと問われれば

魚も肉も安心安全なものを人は選びます。

 

しかし

人は魚と肉では全く逆の概念を持っています。

 

畜産文化の歴史の長さがそうさせているのでしょうか。

 

 

 

養殖の進化が認知されていないことも理由の1つです。

 

生餌を与えていた頃は生臭く脂が多いイメージでしたが

現在は品質改良を重ねた “配合飼料” を給餌しており

養殖だからという生臭さはありません。

 

地方の特産品を活かした “フルーツ魚” などのブランディングにも

各地で勢力的に取り組まれています。

 

 

 

国が違えば食に対する優先順位も異なります。

 

「この魚の産地はどこですか?」

「生産者は誰ですか?」

「何を食べて育ったのですか?」

 

食味よりも

安全で健康的なものを大切にする価値観があります。

 

そういった面においては

種苗から出荷までを把握出来る “トレーサビリティ” があります。

 

今後ブロックチェーンシステムを活用出来れば

養殖魚のトレーサビリティは

今より低コストでセキュリティの高いデータ基盤になるでしょう。

 

既に日本ジビエ振興協会では

2017年10月より国産ジビエのトレーサビリティとして

ブロックチェーンシステムの試験運用を始めています。

 

 

養殖に精魂を傾けた人々の果敢な挑戦によって形成された

『安心』『安全』『安定』且つ『健康的』な養殖ブランドを

多くの方に認知していただきたい。

 

動物性たんぱく質(特に必須アミノ酸)の需要が拡大することは

これからの世界人口増加推移を見れば用意に理解出来ます。

 

遅かれ早かれ

多くの人が養殖の重要性に気付くことになるでしょう。

 

テレビや新聞などによる発信しかなかった時代から

インターネットで個人でも発信できる時代になりました。

 

養殖に関わる人々で声を上げ

養殖バリューを浸透させていくことはとても重要です。

 

 

 

 

イメージ払拭に

一層のこと養殖という呼び名を変えるといいかもしれません。

 

英訳すると Fish Farming なので “FF” とか

 

安心安全という意味で “Peace Fish” とか

 

響きがいいので “新漁業” とか…

 

“極魚(キワミザカナ)” とか…

 

…いまイチですね。

 

 

 

「天然もいいけど、養殖も旨いし、なにより安心だよね!」

 

そういう食文化が世界に根付いてほしいものです。

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