ブリに似た味や身質を持つカンパチも
養殖が欠かせない魚の1つです。
天然は流通量が非常に少なく
味の良さや需要から注目を集めている養殖魚でもあります。
養殖・天然ともブリよりもやや高価な魚で
味や特性もブリとは違った一面を持っているのが特徴です。
こちらも養殖が盛んなブリとの比較を交えながら
養殖カンパチと天然カンパチの違いをチェックしてみましょう。
■注目の養殖魚カンパチ
カンパチは
養殖魚として最もポピュラーなブリに近いルックスと食味を持つ魚です。
ブリよりも黄色や赤みが強調された体色で
旬は天然ブリの味が落ちる夏とされています。
天然カンパチの流通量が少ない中で需要は高く
養殖は需要・食味の両面で高い評価を得ているのが特徴です。
給餌の調整と出荷のタイミングをコントロール出来る養殖カンパチは
旬が長く
いつでも美味しく食べられます。
養殖方法は稚魚を大きく成長させる「畜養」がスタンダードで
稚魚の獲得はほとんどを中国からの輸入に頼っていました。
しかし近年
コストの改善や品質向上を目的として
この稚魚獲得を国内での生産に切り替えようという動きがあります。
他養殖魚でも用いられている人工孵化を使って生産する事で
美味しいカンパチが手軽に楽しめるようになる日が来るかもしれません。
クロマグロ同様
近年養殖が大きく変わりつつある品種カンパチは
味が気になる消費者
コストが気になる生産者
どちらにとっても要注目の養殖魚であると言えます。
■身質と変色への強さがカンパチの魅力
カンパチの特徴は切り身の変色開始がブリに比べて遅く
切り身のパック売り・加工での販売
どちらにおいても良い状態を維持しやすい点が挙げられます。
切り身の見た目も大切なポイントのひとつなので
消費者の我々にとっても嬉しい特徴です。
身質は似ているブリよりもハリが強く
コリコリとした食感を持っています。
養殖カンパチにもこの特徴は活かされており
数世代前の養殖魚に合った柔らかすぎる食感は感じられません。
舌触りや歯ごたえで刺身を楽しみたい方にもおすすめ出来ます。
天然・養殖ともに上記のような特徴を持っていますが
違いのポイントは脂のノリにあります。
天然のカンパチは脂が少なめで
さっぱりとした味わいが特徴。
養殖は与える餌をコントロールする事で脂がプラスされているので
天然カンパチに比べてジューシーな味わいです。
切り身の色はやや白っぽく
食感も少しやわらかくなるので
違いが気になる場合は色や食感を意識しながら楽しんでみてください。
■養殖もカンパチらしい後味
ブリよりも脂や後味にクセがなく
さわやかな風味を好む方に愛されているカンパチ。
養殖で生産されたカンパチも
カンパチらしいクセの無い後味を持っています。
もちろん
品質の高い養殖カンパチは
養殖臭いと表現されるような匂いもありません。
他の品種同様
養殖魚ならではの甘みや濃厚な脂の旨み
カンパチらしい後味の良さを同時に味わえるような
高品質なブランド養殖カンパチも登場しています。
血抜きや加工など
天然よりも徹底した処理が行われている製品が多い事も
養殖魚の大きな特徴です。
ブリよりも流通が少なくやや高価な魚ですが
是非刺身やしゃぶしゃぶなど生に近い調理法で
食感や脂を楽しんでみてください。
後味のよいカンパチの良さを活かしながら
脂を乗せて旨みを強く感じる事ができる養殖カンパチ。
天然はより身の弾力が強く
後味がすっきりとした味が印象的です。
好みに合わせて天然・養殖が選べると、
日々の食事がより一層楽しいものになると思います。
天然と養殖のカンパチを食べ比べて
自分の好みを探しながら食事を楽しみましょう!