みなさんの三谷船具店での基本的な仕事について教えてください

専務 三谷賢一郎（以後三谷専務）

私の担当は基本的には「仕事の段取り」です。
従業員の皆さんに何をどう順番でやっていくかを段取りします。
あとはお客さんの元に伺い、お困りごとがないかもチェックします。
見積もりや仕入作業なんかも行います。

野崎康博 （以後、野崎）

お客さんから預かってきた網の修理点検をしています。

三谷専務

お客さんからの要望は多岐に渡るから、全て把握して漏れなく作業するのは大変だね。

野崎

そうですね。納品日まで短かったら、それに合わせて作業しなきゃいけない。
修理の段取りや前準備から考えていかないといけませんから。
あとは合間を縫って若い衆の指導もしていますので。

三谷専務

指導本当に大事だね。
いくら人が入社しても、人が技術的にも人間的にも育たないといけないからね。

野崎

仕事ができる人が多くなって、みんなでスキルをあげていってもらうと現場が楽になりますからね。

板坂信宏（以後、板坂）

僕はさら網（新しい網）を中心にやってます。まだまだわからないこともたくさんあるんですけど、先輩の手本を見て、どんどん吸収してがんばっていきたいと思っています。

三谷専務

みんな、仕事が早い早いって言ってくれるからな。
あとは網や現場の事を理解したらもうほとんど一人前やな。そのうち段取りの方とか、タイミングみて仕事を順に回っていけばいいよ。

今の仕事、どう思ってますか？

三谷専務

私はとにかく目の前に仕事があるから、精一杯やってるといった感じです。
でもこの立場としては私も足りないところがあって、もっと視野を広くしたり、働く環境、それは設備だけじゃなくて人間関係も含めてだけど、まだまだやりやすい方向に変えられると思う。
「やりやすい」というのは単にラクになるようにではなくて、効率が上がって自然とゆとりが出る事。先にラクを考えるんじゃなくて、効率が上がったらラクになる、と思うんだよね。忙しいじゃないですか、毎日。でも残業はみんなしたくないし、しないほうがいい。生産の効率を考えるのは通常の仕事以上に大変だけど、ひとつひとつ対処したいと思っています。
現状としては注文受けたものをきっちりやるのが最優先だから、それは限られた時間でやらないといけないけど、目に見えて効果が表れなくても、みんなのテンションが上がって効率が上がる、ぐらいのことでも大事に考えて行きたいと思っているな。

野崎

好きか嫌いかで言ったら好きですよ、やりがいがある。・・僕も転々と転職してきたんですけどね。笑

三谷専務

転々とって言ってもそんなには転職してないでしょ？

野崎

してますしてます。運送屋、内装屋、営業なんかもしてますし。結局ここがええかなって。自分には合ってます。やりがいがある。

三谷専務

ここは、気を使わんでええわな。お客さんとこ行ったらまた違うけど、男ばっかりやけん、アッサリしとる部分ある。

野崎

僕は女性がいるとええなと思ったりします。よその会社見ると女性がおるんですよね。女の人がおると、現場がキレイですよね。
そういう意味でね。

三谷専務

女性は几帳面で片付けが得意だね。

野崎

僕はなんとなく整理整頓ができてないと嫌なので、そういう女性がおったらいいんですけどね。

三谷専務

確かにいい職場ってのは、トイレがキレイだわ。むちゃくちゃキレイで整っとる。そのへん見習わないかんなと。

野崎

整理整頓はせんといかんですね。できることだから。

三谷専務

簡単には、できないんだけどね笑。

野崎

家と職場が近いのはいいよな。

板坂

そうですね笑。

野崎

家の近くで仕事できたら、一番ラクやわ。すぐ帰れるしなあ。

板坂

はい。僕は知り合いの紹介だったんですけど、自宅は会社の眼の前です。歩いて30秒くらい。
僕はもうなんもわからん感じで入ってきたんで。
人雇ってるから入ってきたら？ぐらいの、軽い感じで誘われて。

三谷専務

長いなあ、それで10年ぐらいになるよな？

板坂

10年経ってます。

「東かがわ」の地域で働く、つまり住むってことについてどう思いますか？

三谷専務

東かがわねえ。僕なんかずーっと東かがわだから。住みやすいんは慣れてるからなのかな？知らん人にとってはなんもないから最初住みづらいかもしれないけど。
僕は好きなんですけどね、人が。細かいこと言わないでしょう。ネチネチしてない。面白いですよね。

野崎

関西圏に近いってのもあって、神戸に行くのにも車で2時間ですよね。

板坂

ここは飲みに行くとことか遊ぶとこないけど、徳島と高松の間にあるから「遊びに出かける」感じかな？どっちも行けますからねえ。

野崎

四国の西側のほうよりは、便利でバリエーションあると思うよ。笑

みなさん実家はどちらですか？

野崎

僕はさぬき市のほうです。まあ地元です。

板坂

僕は引田ですね。

三谷専務

住めば都というものなのか、楽ですよね。人が良いんだろうなって思いますね。

野崎

僕ここに来たころ、ケンカしてるのかな？っていう会話が聞こえて。

三谷専務

口が悪いことありますね、情があるというのかな。

野崎

漁師さんって元気がいいですからねえ。勢いがあったから、そういうふうに聞こえることもあるんだけど。

三谷専務

慣れたらなんということもないな。

野崎

そうですね。
一番いいのは、地震がないね。天災がない。

三谷専務

あー、地震ないなあ。ない。

板坂

台風きてめちゃくちゃ降るようなことがあっても、ここは全然被害ないです。浸水とか経験ない。

野崎

そういう意味でも住みやすいんですよ。

みなさんのストレス発散法とか趣味は？

野崎

釣り。私はもう釣りだねえ。

板坂

僕は最近ゴルフ始めました。
始めたばっかりでヘタで、それでストレスまた溜めるみたいな笑。

三谷専務

僕も競馬するけど、余計ストレスが笑。
徳島に飲みに行くかな？
友達に誘われて、徳島行くんだけどね。
飲みに行っても、お金だけは使ったけど、何ができたかなーと感じることもあるなあ。

一次産業である水産業や養殖業、そこに関連する製造業としての三谷船具店の将来性は？

三谷専務

魚を食べなくなることは、まずないからね。漁業者は減っても、魚を捕るなり養殖なりの需要はある。なくなることはないよね。
そんななかで生産者さんも、加工しないと売れないとなったら付加価値をつけて仲買さんに買ってもらうとか、工夫しているし。
一次生産者さんも考えてやっておられるのよね。それに関係しているうちも、安定してやっていけるなと思っていますね。

板坂

楽しいのは根本的には海が好きだからかな。面白いんですよね、「モノを作る」のが。

三谷専務

拵（こしら）えしたら、楽しいよな。今自分がどこをしよるか、っていうのがわかってきたら余計面白い。
一人で全行程を作ってる靴職人さんとか、きっとすごい面白いんだろうなと。
網は、これを一人で作れと言われたらなかなか難しいけど、何人かで作るから、面白さが違う。
モノ自体もだんだん大きくなっていってるような感じで。
育って行くみたいな感じ。

板坂

そうですね。

仕事の「楽しさ」はどこに感じますか？

三谷専務

機械ではできんのよね、これはやっぱり。

野崎

できたらええなと思うけどな笑。

三谷専務

複雑だけん。だから面白いと思うのかもしれんね。

板坂

全部手作業ですからね。

三谷専務

手作業なんですか？って聞かれるもんねえ、これ作るのにねえ。

野崎

機械でできんのかーってしょっちゅう思うわ笑
でもね、できたときの達成感はなんとも言えん。

三谷専務

自分が段取りしてたら思えるね。言われてやるんじゃなくてね。

野崎

そうです。実際に海に浸かってるの見たら、ちょっと誇らしくなりますよね。

三谷専務

現場にいる僕らはお客さんと会うことはほとんどないけど、出来たときの達成感はすごいね。

板坂

うんうん。

個人的に達成したいこと！

三谷専務

子供がいるんですが、自立した人間になってくれれば。
あと個人的にも会社のことは思いますね。ウチの社長も言いますけど、みんなが結婚したり家建てたりね。それができるっていうのが、会社としてもよかったなと思うんだよね。それはひとつの目安かなって思います、そういう会社でありたいっていう。

野崎

えー・・いいですか？達成したい事って仕事以外で？
尊敬される人間にはなりたいですよね。

三谷専務

うんうん。それムリちゃうか？笑

野崎

いやいや、もう、一歩手前まできてます。最終目標は市長だけんなー笑。
讃岐市じゃなくて東かがわ市笑。

板坂

自分は特に欲はないんだけど、現状維持ができれば。

働きたいなと思っている人にメッセージを。

三谷専務

とにかく魚、美味しいです。そういった楽しみがあります。
ウチの会社はギスギスしてない。もうざっくばらんにやってますんで、気負いなく来てくれたらいいですよ。

野崎

この会社は家庭的なところがあって働きやすいし、笑いの絶えん会社です。
過ごしやすい、いい会社ですね。メリハリはちゃんとついてるんで、そこがええかなって思います。

板坂

すごく人間関係がいい。やりやすいです。

三谷専務

若い子ら、仲ええよなあ。

板坂

そうなんです。それで居やすいんですよね。